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世界一わかりやすい為替の授業

いやー、今年最後のメルマガですが、やはり今年一番の話題は

アベノミクスですよね。

 

はっきり言って、ここまで一気に円が下落するのは

当初誰も予想していなかったんでしょうね。

 

もう一度為替の原理をしっかり理解しておきたいです。

 

為替が決まる原理と、なぜ現在円高や円安が起こるのかを、

メジャーリーグで活躍するイチローと、

メジャーへ行くダルビッシュで解説していきたいと思います。

 

イチローは今年200本安打も達成できず、どうも調子が上がりません。

もちろん一流のプレイヤーですし、悪いプレイヤーではありません。

しかし、もし5年契約するとなると結構な覚悟が要ります。

そうとう値切らなければいけません。

 

ダルビッシュは有望です。WBCでも素晴らしいスライダーを見せましたし、

既に、日本球界でNo.1の実力です。その日本がWBCで優勝したのだから、

もしかして世界1なのか?日本人人気はイチローを超えるかもしれない。。。

というプレイヤーです。

5年契約なんて全然怖くありません。アメリカンジョークが得意な

アメリカ人は

「来てくれるなら100年契約でもいいよ!」

って感じです。

 

さて、監督はどちらのプレイヤーを雇うべきでしょうか?

そりゃダルビッシュに決まってんだろ!という声が飛んできそうですが、

ちょっと待ってください。

本当にそうですか?

 

もちろんイチローの将来性には期待できませんが、いいプレイヤーです。

今後成長は期待できませんが、体の手入れは結構しっかりしているし、

もしかしたら、実力の低下はゆっくりな下り坂で、

結構普通に活躍するかもしれません。

 

しかも当然コストは安いです。みんなダルビッシュばかりを狙っています。

もしかしたらお買い得品なのでは?とも思われます。

 

ダルビッシュはどうでしょうか?

変化球は超一流。速球までもが速くて重い。こんな投手100年に1人の逸材やで!

とテンション上がりすぎて関西弁になるのもいいですが、

このことはみんな知ってます。っていうかド素人が見てもわかります。

実力が超一流なら、お値段も超一流です。

 

監督はどうやって選べばいいでしょうか?

ここでは当然、将来のコストパフォーマンスを計算しなければいけません。

 

コストパフォーマンス(将来)=実力(将来)×(1/コスト)

 

ですね。

 

通常これが高い方を選べばいいのですが、それはやっぱりメジャーリーグです。

プレイヤーが一流なら、スカウトも一流です。

将来の実力を正確に予測できます。

当然、提示する年棒(=コスト)は同じようなものです。

 

そうなるとイチローのコストパフォーマンスとダルビッシュのコストパフォーマンスは

同じにならなければいけません。

 

実は為替もこれと同じです。

 

これまでの計算をいろいろ置き換えてみましょう。

下に代入式を示しましょう。

 

イチロー   = 日本

ダルビッシュ = アメリカ

コストパフォーマンス(将来) = 実質金利

実力(将来)          = 予測GDP

(1/コスト) = 自国通貨の価値

 

となります。

 

さて本当かどうか確認していってみましょう。

 

先ほど説明したとおり、イチローはピークが過ぎてこれからは衰退の

一途とみられています。少子高齢化、社会保障費の増大。。。

日本にぴったりですね

 

ダルビッシュはアメリカです。

シリコンバレー出身のamazonは、電子書籍業界を席巻。

さらには、

グーグル、フェイスブック、、と名だたる

新興企業が大量にあり、人口も増加中です。

 

まさに、これからが期待されているダルビッシュにピッタリですね。

 

それでは、先ほどの式に当てはめてみましょう。

 

先ほどの式は、

 

コストパフォーマンス(将来)=実力(将来)×(1/コスト)

 

ですね。

 

これに代入すると

 

実質金利=予測GDP×自国通貨の価値

 

となります。

 

さて、先ほど言った通り、メジャーリーグのスカウトは

目が肥えています。

実はこれ、為替業界も同じなのです。

 

実質金利とは簡単に言うと、その国の通貨を持っていて、

どれだけ儲けることができるかです。

 

意味的には、コストパフォーマンスと非常に似ています。

 

現在、為替は完全に自由化(少なくとも円とドルは)されていて、

巨額の金を動かすヘッジファウンドが通貨の売買を日々繰り返しています。

 

そうなれば、当然、利益が出る通貨にポジションを置きます。

しかしみんな一流のプロです。一流のプロが業界に現れれば、

メジャーリーグと同じことが起こります。

 

つまり

 

円を持っていて儲かる額=ドルを持っていて儲かる額

 

は一緒になり、

 

先ほどのイチローダルビッシュのコストパフォーマンスが同じになった

のと同様、

 

円の実質金利 = ドルの実質金利

 

でなければなりません。

 

 

この実質金利は何で決まっているのかと言うと、先ほどの式の通り、

 

予測GDP×自国通貨の価値

 

で決まってしまいます。

 

まずは、予測GDPです。

先ほどのイチローダルビッシュの関係同様、

日本には将来性がありません。

 

予測GDPは下へ下へと圧力がかかっています。

 

しかし、

 

円の実質金利 = ドルの実質金利

 

は決まっていますので、結局、自国通貨の価値を上げるしかないんです。

 

先ほど、私は、自国通貨の価値=(1/コスト)の関係を説明しませんでした。

これには理由があります。

 

実力が上がれば当然のごとくコストは上がります。

つまり、(1/コスト)は下がります。

 

為替も同じです。

国家の将来が期待できれば、予測GDPが上がります。

そうなれば、当然、自国通貨の価値が下がるのです。

 

つまり、為替というのは、予測GDPに依存している

単なる従属変数であることがわかります。

 

かつての与党である、民主党の安住財務大臣は、

 

「実体経済を反映しない一方的・投機的な動きが続いている」

 

と述べ、為替介入を行いました。

 

これは、意味がありません。

 

大元にあるGDPに対策を打たず、従属変数である「為替」だけ変えようというのです。

 

ちなみにですが、この式を少し変形すると、

 

自国通貨の価値=実質金利 / 予測GDP

 

と、なります。

 

つまり、自国通貨の価値を下げたいのであれば、

何らかのGDPを増やすような政策をして、

予測GDPを増加させるか、実質金利を下げるかしかないのです。

 

実質金利は、既に0ですので、やはり、日本に残された道は、

GDPを上げていくしかありません。

 

日本は今回円安になりました。

 

アメリカで何が起きたのでしょう?

 

アメリカでは、FRBが金融緩和を止め、テーパリングの開始を

決定しました。

ということは、国債を買ってくれる人が少なくなったため、

国債の利回りが上昇します。

これは、基本的には金利に直結しますので、金利が

上昇するのです。

 

ということは、自国通貨の価値はおのずと上昇する方向に

行くんですね。

 

アベノミクスアベノミクスと騒いでいますが、

アベノミクスが行った金融緩和の威力は少し失われていました。

 

というのも105円になったのはつい最近のことで、

アベノミクスが発表されてからは90円台で落ち着いていました。

 

つまり、大きな要因は、アメリカの実質金利が、

FRBのテーパリングにより上昇したことです。

 

決して、日本の予測GDPが上昇したわけではありません。

 

景気が回復したと錯覚している人は、来年の1年で

痛い目にあいそうな気がしてならないですね。。。